JOURNAL

物に思い出

2025.06.20

 

 

矢口です。

 

「松本パルコの後利用は、東京商業コンサルティング会社「やまき」が11月にショッピングセンターを開業する契約になっていた、しかし来春に延期する見解。」

 

まぁ〜肌感そんな気はしていた、むしろ白紙となるのではないかと思ったり、恐縮な私見ですが開業しても何年も継続させることは困難だと思ったり。

国内トップノウハウを持つディべロッピングパルコで継続が難しい館を、(スーパーとエンタメを加えたとしても)同じく物販中心のマーケティングでは難易度は高い。

 

インフラ的施設設備老朽化のことは耳に入っていたけれど、経費をかけてもやってやるぞと言う意気込みがないのであれば尚更。

会社である以上当たり前の採算試算ですが、低予算で参入し利益面で旨みがあればやるし、旨みが出なそうならやらないと言うくらいのノリでは築40年以上たった館の魅力ある再生など叶わない。

 

これも恐縮ですが、同社が同じく手掛けている駅前アルピコプラザレベルの仕上がりでは街の魅力につながらない、古いビルをリユースしていますね程度の見え方。

松本市としては市の費用=税金をかけて事業をするには反対も多かろうが、長期的に考えれば腹を括って市+民間のプロジェクトにするしか私は方策なしと思う、急がば回れ。

 

それが出来なければ(権利者様の兼ね合いで一筋縄にはいかないようですが)事業を閉じられたパルコさんに更地にしてもらい、各種イベント(=場所使用料が市に入る)を行えるような街ど真ん中の寛ぎの公園にでもしてほしいもの、極論。

飲食店が抜けまくって見てくれ寂しい公園通りの様子から外野からの無責任な発信を恐縮しつつそう願いたい、これからの動向を見守る。

 

タイトルの「物に思い出」は、33年前に買った腕時計のこと。

 

私が大学2年の時にバイト代を貯め、現金を握りしめて八王子並行輸入店ラブラブで当時70,000円買った、1969年7月20日にアポロ11号で月面に到達したNASA公認の腕時計オメガスピードマスターオートマチック(手巻きモデルは倍以上して候補にも出来なかった)。

小中学生の頃、父に買ってもらったビクセン社の天体望遠鏡で星を見るのが好きだった少年はデザインも含め宇宙ロマン溢れるこの時計に憧れ手にいれた、33年くらい前の記憶ですが、価格やその時に店内の様子など今でも記憶にあるほど刻まれた思い出。

 

その後、2度くらいオーバーホールに出しましたが、傷ついたプラケースも経口剤が剥げた針も交換はせず、まさに90年代の趣30年もののヴィンテージ。

アンティークショップで販売されている味わい滴れる腕時計が魅力的に映るものの、私にこれが自分仕上げのヴィンテージ腕時計、今も愛着溢れレザーベルトに替えて大切に使っている。

 

夏、本来なら汗をかく季節にレザーベルトは不向きであるのですが、手首が見える半袖シーズンになると保管庫から出してつけたくなる。

腕時計はコンパクトなのが魅力だと感じる年頃、そう思えば大きくて厚い手巻きモデルではなく、薄くて軽いオートマッチモデルを買って正解だったと33年前の青年矢口に今伝えたい。

 

「物に思い出」、憧れを増幅させ恋焦がれて手に入れた人生を共にするお買い物、そんな買い物体験は人生において数多くはない、この上ない喜びです。