JOURNAL

山小屋4代目と「黒部の山賊」

2023.02.19

 

矢口です。

 

明治から大正、そして昭和の初めに創業された歴史をもつ多くの北アルプスの山小屋

初代から2代、3代と継承され、創業80年〜100年くらいとなる今、3世代目、4代目世代にバトンが渡され運営が始まっている。

 

北アルプスの山旅の安全と楽しみを支えてくださる山小屋さん。

山小屋は勿論のこと、登山道を、テント場を、登山者さんを、そしてアルプスの大自然を守ってくださる守り人さんたち。

 

中部山岳国立公園にある山小屋さんは、他社の新規参入という競争はそこまでない側面はあるけれど、人口減少や物価上昇による様々なコスト高、人件費、大自然の中にある小屋の老朽化や登山道の整備など楽観的に運営できる未来だけではないはずだ。

また、洋服屋の在り方もそうですが、インターネットプラットフォームが整ったこれからの世代は、山小屋としての基本的在り方は変わらないとしても、これまでとは違った表現も付加され、新しいルーチンワークも必然必要。

 

私は子供に洋服屋を引き継がせる気持ちは一切ない、それは私の洋服屋フォーマットを伝授しても子供世代の洋服屋を健全に運営して行かせることは出来ないと考えているから。

でも、もし子供が自らの経験とアイディアと行動力で洋服屋さんをやりたいと考えているのなら自由、見守りたい気持ち、”なんとか屋”を取り巻く環境は大きく変化している。

 

30〜40歳代の方々が4代目として活動をされ始めた山小屋の運営。

洋服屋と山小屋では健全経営ノウハウは違う前提を持ちながらも、日本国が成長し、登山人口も増えていたであろう過去とは違う未来に向けて、日本登山黎明期の実話でもある「黒部の山賊」的現代版フロンティアスピリットが人気山域の山小屋さんであっても必携となるのだろう、規模の大きな存在ほど変化に左右されるものだから。

 

でも、”なんとか屋”の運営には常に課題はつきもの。

「使命感と同時に、仕事が楽しく好きの気持ちが見出せ、のめり込めるかどうかが事業継承の肝なのだろう、頑張れ〜」って思いながらこちらの記事を拝読、若き山小屋主たちの言葉を追いかけた。