JOURNAL

新蔵書

2023.01.21

 

矢口です。

 

2023年本初め、写真集を3冊購入。

今日の投稿はその紹介を。

 

 

川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり

写真家 川内倫子さんの国内では6年ぶりの大規模個展図録。柔らかい光をはらんだ淡い色調を特徴とし、初期から一貫して人間や動物、あらゆる生命がもつ神秘や輝き、儚さ、力強さを撮り続けています。国内では約6年ぶりとなる大規模個展である本展では、この10年の活動に焦点を当て、未発表作品を織り交ぜながら川内の作品の本質に迫ります。展覧会カタログでは、新作〈M/E〉のほか、日本未発表の〈4%〉、新作を含む〈An interlinking〉など、展示の核となるシリーズから最新の映像作品まで、立体的な展示空間を追体験できるようなシークエンスを作家自身が構成しています。また川内が制作の上で影響を受けた佐治晴夫氏との対談や、篠原雅武氏含む3本の論考を収録し、イメージとテキストの両側から川内作品の現在地を深く探ります。展覧会の中心となる〈M/E〉では、アイスランドの火山や流氷の姿や北海道の雪景色と、コロナ禍で撮影された日常の風景を織り交ぜています。一見するとかけ離れた無関係のものに思えますが、どちらもわたしたちの住む地球の上でおこっており、川内の写真はそこにある繋がりを意識させます。展覧会を通して、人間の命の営みや自然との関係についてあらためて問い直す機会となることでしょう。

 

拝見したかった写真展でしたが、行かれず。

M/E、マザーアース=母なる地球であり、me=私であり。

大きなタイトルであるけれど、重みを感じさせない柔らかく暖かな写真。

景色の切り取り方、フォーカスの仕方に惹かれる一冊。

 

 

Aalto in Detail: A Catalogue of Components

フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルト、エリッサ・アアルトのディテールを紹介する写真資料集。ドアの取っ手から天窓まで、50のアールト建築を記録し、その写真を構成要素ごとに20の章に分類している。

 

私はアアルトが好き。

「近代建築の三大巨匠」と謳われる、ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと1930年代に活躍した現代建築と並ぶのか?私はより好きなのか?

フィンランドの豊かな自然と厳しい寒さに寄り添ったシンプルだけれど温かみのあるディテールや部材使いが好きなのだろう。

そんなアアルトの建築デザインのディテールにクローズアップして写真で紹介している本。

 

 

祈り・藤原新也展図録

世田谷美術館で開催中の写真展の図録。1944年に福岡県門司市(現 北九州市)に生まれた藤原新也。東京藝術大学在学中に旅したインドを皮切りに、アジア各地を旅し、写真とエッセイによる『インド放浪』、『西蔵(チベット)放浪』、『逍遥游記(しょうようゆうき)』を発表します。1983年に出版された単行本『東京漂流』はベストセラーとなり、社会に衝撃を与えます。また同年に発表された『メメント・モリ』は、若者たちのバイブルとなりました。1989年には、アメリカを起点に西欧へと足をのばし、帰国後は自身の少年時代を過ごした門司港で撮影した『少年の港』をはじめ、日本にカメラを向けます。そして旅のはじまりから50年後、現代の殺伐を伝えるニュースを背に、大震災直後の東北を歩き、コロナで無人となった街に立って、これまでの道程と根幹に流れる人への思いを「祈り」というタイトルに込めます。そして藤原の見た、人が生き、やがて死へと向かうさまは、現在形の〈メメント・モリ(死を想え)〉へと昇華され、新たな姿でわたしたちの「いま」を照らします。藤原の表現活動で特筆すべきは、写真、文筆、絵画、書とあらゆるメディアを縦横無尽に横断し、それぞれの領域において秀でた表現を獲得していることにあります。本展は、祈りをキーワードに、初期作から最新作までの作品を一堂に展示して、藤原新也の多彩な仕事を立体的に展開します。

 

1944年生まれ藤原新也さん。東京藝術大学在学中に旅したインドを皮切りにアジア各地を旅し、1989年にはアメリカを起点に西欧へと足をのばし、帰国後は自身の少年時代を過ごした門司港で撮影、日本にカメラを向ける。

その旅旅の集大成の一冊。

藤原さんの表現活動で特筆すべきは、写真、文筆、絵画、書とあらゆるメディアを縦横無尽に横断し、それぞれの領域において秀でた表現を獲得。

感慨を覚える写真に添えられた藤原さん自らの文章、より写真に深みを与えまた感慨が深まる。

この本は人生の価値観に新しい気づきを覚えさせてくれる名作だと思いました、大人の皆様は是非お手元に所蔵されて欲しいかと、価格も2,980円と手に取りやすいです。