JOURNAL

春を待つ

2023.01.10

 

 

 

 

 

 

 

矢口です。

 

新製品を扱うセレクトショップ、シーズンの初めから中盤戦まで新商品がどしどし入荷してくる。

バイヤーであり、オーナーである私は、新鮮な服に会える喜びと裏腹に、「果たしてお客様に選んでいただけるのだろうか?」とメーカーさまへの支払いも含めて不安を覚える。

 

”一貫、店舗を増やす挑戦はしない腹でいて、でも仕入れは常に攻めの気持ちで挑戦”するスピリットで挑んでいる19年、毎シーズンこの不安で眠れない夜があります。

(攻めの仕入と述べつつも、当店の販売力量を計算式の大上段に構え、そのシーズンの仕入れはそのシーズンにしっかりと売り切り、在庫を残さない事をバイヤーの一番の力量と据えた仕入れ。)

 

ですので、シーズン真っ只中の当店ハンガーラックは毎シーズンぎっしり。

特に秋冬シーズンは、コートやニットなど高単価のアイテムを仕入れることから春夏に増して精神的ビビリの境地に必ず一度は落ちる。

 

そんな気持ちを抱きながら、日々発信、シーズンが進むにつれ、お客さまに当店セレクトアイテムをお選びいただくリズムが続くと、少しづつこの不安な気持ちが解れて行く。

この感覚はお店を続けてゆく限り、ずっと有る事でしょうし、有るからこそ”製作・納品いただいた、作り手が大切に仕立てたアイテムを粗雑に扱うような事のない”精度の高い仕事ができるのだと自己解釈しております。

 

写真は、この週末の連休で秋冬セールを終えた今朝の店内。

メンズもレディースも秋冬服の全てをお客さまへお渡しでき、かなりすっきりとした店内となりました。

 

「”作り手”さまから”使い手”さまに良質な品を繋ぐ仕事、自分は”選び手”である」と位置付けている私としては、この店内の姿を感じ安堵とともに嬉しさ溢れる。

「今シーズンもやり切った!」今実感できております。

 

2022-23AWシーズン。

当店のセレクトアイテムをお選びくださいました全ての皆さまに、心から御礼申し上げます。

 

「春を待つ」。

 

超厳選された服が並ぶかのような、ハンガーラックに贅沢に服が並ぶ、ハイエンドブランドショップさまの様な、ある意味理想的な店内風景は今だけ。

成人の日絡みの3連休が終わると、工場さまも本格稼働をし、春新商品を仕上げてくださる。

 

来週くらいからドシドシ春もの新商品が入荷し、あっという間にラックぎっしりの当店に戻ります。

そうなると、新商品のホームページ紹介や、並行して始まる2023-24AW展示会出張と発注業務、一気に忙しいターンに再突入です。

 

束の間の静寂。

半年張り切り続けてきた心と身体、今週は店頭と業務の凪の時間を大きな安堵と共に心穏やかに味わいます。