what matters
2026.09.04
矢口です。
what matters = 「大切なこと」「重要なもの」。
水曜日に拝見した、ライカカメラジャパン原宿店で開催中の写真家・嶌村 吉祥丸さんによる写真展タイトル「what matters」のこと。
アメリカ滞在中に訪れたニューヨーク、ポートランド、ロサンゼルスで撮影された写真、旅のなかで吉祥丸さんがあらかじめ目的地や被写体を定めるのではなく、街を歩き、人と会い、その土地に流れる時間に身を委ねながら撮影。カフェや公園、スケートパークといった日常の風景。作品に写っているのは、旅先で出会う特別な出来事ではなく、友人との語らい、街角を行き交う人々、ふと足を止めた風景。どれも私たちの身近にある一見ごくありふれた光景。しかし、その一枚一枚には作家がその場に身を置き心を留めた時間の痕跡が静かに刻まれている。写真展タイトルである「what matters」という言葉も撮影に先立って用意されたものではなく、旅を終え、写真を見返すなかで残ったのは壮大な風景や特別な体験ではなく、人と過ごした時間や、日々繰り返される風景の記憶に思ったこと。慌ただしく移り変わる現代においてつい遠くに価値を求めがち、しかし足元にある日常や何気なく過ぎていく時間へと静かなまなざしを向ける気持ちも大切なこと。
what matters 目的もなく、ただ街を歩く。久々に再会した友人と、互いの近況を語り合う。日々、繰り返されている風景。それは、小さな個人店のカフェで。それは、名もなきスケートパークで。それは、老若男女が行き交う公園で。特別なことは、何もありません。なんでもない、ありのままの日常の隙間に、何か大切なことがあるのではないでしょうか。嶌村 吉祥丸
嶌村 吉祥丸/Kisshomaru Shimamura
東京生まれ。アーティスト・写真家として分野を越境し国内外を問わず活動。さまざまな表現者と協働しながらsame gallery(東京)や koen(京都)のディレクターとして企画・キュレーションを行うほか「ラーメン吉祥丸」やフレグランスブランド「kibn」をプロデュース。
どこに出すでもなく、どなたの評されるわけでもなく、ただカメラを持っての街歩きで撮る私の今、羊文学さん楽曲「光るとき」MVを見て感激したのち吉祥丸さんの写真や動画をチェックし、切り取り方と表現の仕方の感覚に驚嘆、その独特のセンスに絆されて拝見してきた次第。
今写真展も、「絶景だなぁ〜、美しいなぁ〜」という感情を発動することなく、何をどんな切り取り方をしているのか?額装のバランスも含め盗み取る様に凝視してきました。




